細々ノート

ドーラク

辰巳出版から出ている季刊雑誌「ドーラク」を買う。 表紙からして、私の購買意欲を駆り立てる。プレゼント企画で 独自のホウロウ看板を制作しているが、これはあんまり欲しくないな。 どうせなら、金鳥とかボンカレーなどのホウロウ看板を今のタレント使って 作り直したものが欲しい。 全体にレトロと田舎趣味で、非常に多くの記事があり、この1冊で相当の時間を 潰せそうである。見た事ある田舎風景が懐かしい。 日本全国食べ歩きでは、子どもの頃だったら気持が悪くてとても食べれそうに無い 珍味が、とてもおいしそうに写っている。 諏訪とか伊奈とか、変な趣味が無かったら一生行かないような所へいろいろ行ったな。 伊奈のざざ虫はあまり食べたくないが、ローメンは少し興味あるな。 でも、このためにわざわざ伊奈には行かないな。 でも、夏は信州や北海道で暮らしたいものだ。

古いラテカセ(ラジオ+テレビ+カセット)とかラジカセの写真が在るが、 むしろ、SONYやTDKのカセットテープのデザインが懐かしい。ラテカセって夢の機械だったな。 ベルトクイズQ&Qの商品だったというのも懐かしい。 子どもの時の田舎暮らしは、周りに何もなかったから、景品かなんかでラテカセを 手に入れたら、さぞかし毎日が楽しかろうと夢見た物だ。 そういう、子ども時代の素朴な物欲の方が懐かしい。

自分の心の中では、レトロブームはもう去った感があるのだが、たまにこういう雑誌を 見つけると、すっかりデフレ気分に浸ってしまう。Aphex TwinのDRUKQSと言うCDを久々に 買ったが、その丁度半分がダウナー系の曲で、それだけ選んでMP3にして、 ループして聞きながら、ドーラクを眺めていると、僕の中のデフレスパイラルが止まらない。

2001/12/17


2001年のブックレビュー

秘境駅に行こう!(牛山隆信著、小学館文庫)

ネットのHPでマニア活動を公開している著者が書いた文庫本。 秘境駅なるものに目を付け、全国踏破を目指すメンタリティは、正にアマチュアリズム。 観念的な目標を定め、ひたすら人気の無い場所を目指す姿勢は良く分かる。 だた、若干危ない記述も見うけられる。(浮浪者の話とか。)

地図を見るのが10倍楽しくなる本[国道の秘密]編(中川文人著、青春出版社)

国道だけをネタに書かれた本と言うのはあまり無い。 この新書はそういう珍しい1冊。国道入門書としてお勧めできるだろう。 点線国道では、萱峠が紹介されている。

新・トンデモ超常現象56の真相(皆神龍太郎著、太田出版)

懐かしいオカルトネタの真相が分かる。 同じようなテーマで、もっと学術的な翻訳本も出ていたな。 「トンデモ本の世界R」も今年太田出版から出ている。

偽史冒険世界 カルト本の百年(長山靖生著、筑摩書房)

これは、1996年に出た本で、未だちゃんと読んでいないのだが、 私が「奇妙な名所を訪ねて」で取り上げたような案件について学術的に調査しており、 非常に面白そうである。

2001/12/30


昭和30年代 懐かしの東京(平凡社)

表題の本を購入。正に旧標識がたくさん写ってそうなタイトルだが、実際そうだった。 昭和30年代の道路沿いの街並の写真を現代のものと比べようという趣旨の本で、 古い写真がいっぱい。特に、最後に都電の路線図が付いているように、 30年代の東京の街並は、路面電車で特徴付けられる。 旧標識は、横断歩道、停止線、各種禁止系標識が幾つか写っているが、興味深いのは、 「軌道敷内通行可」(7頁)、ジープの「自動車通行止」(16頁)、そして84頁に杖をついたおじさんの「歩行者通行止」(306番)もある。これの写真は初めて見た。昭和36年(72頁)と昭和39年(73頁)の写真を見比べると、この3年のうちに道路標識が一斉に替わったのが分かる。

「ドーラク」vol.4。あいかわず、ノスタルジー色満開。 デンスケと浅田美代子が懐かしい。会津鉄道・湯野上温泉駅の茅葺き屋根の駅舎はやり過ぎだ。駅なのに、わざとらしい。あまり好きじゃない。 鹿島鉄道内陸部は昔5月に沿線をずっと歩いたことがある。 これぞ真のローカル線だ。沿線の人気の無さといったら尋常ではない。 174頁に、強烈にノスタルジックなよろず屋が出てくるのだが、資料館で復刻した展示物だった。師勝町図書館歴史民族資料館では、昭和30年代の日用品を展示しているようだが、もう、こういうものも公的な資料館の展示物になってしまっているんだな。 しかし、ちょっと主要道から外れた田舎に行けば、こういう店はまだ現存するような気がするのだが。名糖アイスクリームの壷みたいな冷蔵庫が懐かしい。

2002/6/23


廃墟文化の片隅で

酷いもんで、ここの更新も半年に1回しかしていない有り様。 それでも、リンク集のリンクの更新などは随時やっているのですが。 (本文中のリンクの更新には手がつけられません。) いろいろなサイトが随分消えました。ジオシティーズとか無料ホームページサービスだったら、 放置しておいても別に金はかからないので、わざわざサイトを消すこともないのに。 仕事でやっているんじゃ無いんだから、 随時更新しなくちゃいけない訳ではない。

もう更新できないからと消滅させてしまうより、 ウェブのサイトも廃墟として残しておいた方がいい。 時が経って、熟成するかも知れないよ。 もっとも、デジタルな世界では、色褪せたり、錆びたり、草茫々になったり という事は無いけど。 緩やかな崩落が無いのは味気無い。 それでも、時代遅れな言説とか、時が経てば味わい深くなるかも知れない。 古本屋で安く売っている昔の大衆雑誌みたいに。

私がこのサイトを立ち上げた頃は、軽い廃線ブームで、廃線探索と言う 非常にダウナーな趣味に惹かれたものだ。 点線国道も旧標識も、同じノリである。 ひたすら、情報のメインストリームの外へ外へと 目指していたけど、 ヒーリング(癒し)的な目的で、この手の情報にも若干需要はあるようだ。 最近は、廃墟関係の書籍や写真集が良く出るようになった。 中にはゴミ溜めのような殊更汚い物を追及しているのもあって、 趣が合わないものもある。 バブル期の派手な施設の廃墟など、見ても不快になるばかりだ。 「悪趣味」だと思う。 私が好きなのは、ひっそりとした物。 長い時が無駄な虚飾を剥げ落していった 果ての姿が好きなのだ。 旧標識は、 その機能が、まだ何とか「生きている」ので、一番好きなものだ。 経済活性化のためには、未だ使えるものでも、ちょっとでも古くなったらすぐ捨てて、 どんどん新しいものに買い替えようと言う、 大量消費経済の啓蒙運動に反発しているようで。 (全然反発している訳では無く、単に見捨てられているだけなのだが。) やっぱり、こういうセンスって「駄目」ですね。

B-GEEKSと言う雑誌に、ここが紹介されていたが、アート的な評価?をされていて、うれしかったです。 でも、この雑誌、率直に怖いな。ハッキングされそうで。でも、その結果、私のサイトが 緩やかな崩落していくのなら、それも味わい深いかも。

2002/12/1


足長小学生ここにも

6月に相場さんから千葉県印西市船尾(県道4号線)に現存する足長小学生の看板の写真を頂きました。 遅ればせながら、ここに掲載させていただきます。

実は私、大分昔にこの道路を頻繁に通っていました。 そして、足長小学生に興味を持った時、確かどこかで標識そのものではなく看板になっているのを 見たことがあるなと思い、心当たりのあるところを探したことがあります。やっと再会する事が出来ました。

さて、関係ない話ですが、先日「トリビアの泉」で日本最南端の道路標識「止まれ」が出てきましたが、 なかなか風情ある情景でしたね。ひどく観念的ですが。 後、ちょっと前にリクルートの雑誌のCMで、「並進可」標識が出てきましたが、 あれは滋賀県のサイクリングロードの物のようですね。 「並進可の道路標識は・・・・・、全国でたった8個しかない!」とか、トリビアで扱ってくれないかな。 実際の所どうだか知らないけど、マスコミさんに調べて欲しい。

2003/8/30


森永チョコベー20円

昔、森永チョコベーと言うお菓子があり、そのシュールなCMは評判となった。 私は当時、丁度このCMの少年と同じくらいの年齢で、その幻想世界に耽溺し、夕暮れに自分の影法師を 見てはチョコベー遊びに興じる日々を過ごしていた。 きっとこの映像の背景には何か深遠な世界があるのだと信じていた。 正に小学生の発想である。それから長い年月が経ち、偶然ネットでこのCMに再会した。 ずっと思い出すことも無かった小学生の頃の日々が蘇る。 しかし不思議に思ったのは、この映像の中の子供達の姿は自分の子供の頃よりもずっと前の時代のものの ように見えることだ。おそらくそうなのだろう。当時でもこれはノスタルジーを喚起するような 映像だったに違いない。でも確信が持てない。あるいは自分が子供のときもああだったのかもしれない。 思い出せない。

チョコベーが出現する山を見ると筑波山のように見える。今私が毎日目にしている山だ。 小学生の頃は筑波山なんか知らなかった。 でも、似ているけど微妙に違う気もする。ネットで調べるとやはりそうみたい。 ロケが行われたという小学校も分かった。比較的近くなので車に乗って確認に行く。 やはりそうだった。私の居住地から丁度反対側から見た筑波山でした。 ああ、この山の頂に嘗てチョコベーが出現したのだなと感慨にふけることは無かったのですが。

2005/12/27


文字化け

長いこと、iPadなどでは文字化けしてここは読めなかったようだ。 修正して読めるようにしました。 でもリンク切れの修正とかはちょっと手に負えない。 メンテしないと崩壊していくのはデジタルの世界でも同じだが、 やはりデジタルと言うだけあって「緩やかな崩壊」と言うのにはなかなかならないようだ。 それでも文字化けはその類と言えるのかな。

更新のインターバルが徐々に広がっていくのは予定通りだが、 前回から10年も経ってしまったのは予想外かも。 最近良くやるのは、昔ここで紹介した特異点をGoogleのストリートビューで散策すること。 お蔭でどこかに実際に行く事はほぼ無くなってしまった。

2016/3/3